岩菅山 2295m
真夏に日帰りで山登りを楽しむ
■実施日 2023年8月6日(日) 曇り時々晴
■参加人数 19名
■コースタイム
集合5:00―信州中野IC―岩菅山登山口出発9:00―アライタ沢出合9:40―ノッキリ11:05~11:20―岩菅山12:00~12:40(昼食)―ノッキリ13:15―アライタ沢出合14:40―登山口着15:05 反省会・現地解散(―集合場所20:00)


「天気予報が安定せず、予測困難。よって、現時点では中止にはしません。」前日17時に出された掲示板にCLの苦渋の跡がにじむ。
例会は決行された。朝日まばゆい北陸道を突っ走って信州にはいると、いつもなら見えるはずの北信五岳はどれも山頂部が雲の中だ。停滞している遠い台風の影響なのか、ここ数日内陸部は午後から夜にかけて局地的豪雨があり、今日も心配だった。登山口で現地集合の首都圏在住メンバーは、昨晩到着して車で寝たが、やはり夜中に雨が降ったと言う。さいわい夜明けには晴れて、私たちは2班に分かれ予定通り出発した。
ダケカンバやクヌギの類が密生する登山口の標高はすでに1530m、気温19度と涼しい。エアコンの人工冷気とちがい自然のそれは毒気がない。目指す緑の岩菅山が雲間に高くそびえて見えた。最初は山ノ内町の水源林の縁を流れる小川に沿って進み、アライタ沢出合から樹林下の山道となる。ルート上に1/4、1/2と岩菅山への到達度を示す看板が置かれている。残り1/4地点が「ノッキリ」で、小広場があり、ここから山頂まで岩屑の急登が続く。東斜面の深山幽谷の視界が開け、しばらく登ると急に突風にあおられた。慣れないメンバーは不安を感じてかこれ以上の登高を諦め、ベテラン2人が随行してノッキリへと引き返した。残る16名は強風をまともに受けながらも登頂に挑んだ。熊笹ばかりで花に乏しい登山路にハクサンシャジンとウメバチソウを見たが、傾きながらしなやかに強風に耐えていた。体温を奪われるほど寒くはない。途中ですれ違った地元のハイカーが、ここは北と南からの風がぶつかり合うところだと教えてくれた。なるほど、この山が笹がちのわけも分った。
山頂には石の祠や昭和4年の秩父宮の登頂記念碑があり、傍らに立派な避難小屋とトイレがあった。トイレ内には携帯トイレのキットが数個置かれて、用を足したらそれを各自下山時に回収ボックスに入れるよう記載がある。なかなか合理的な山岳トイレシステムと思うが、キットを補充するために登る人の苦労も忘れてなるまい。私たちのあとから数組の登山客がのぼって来た。山頂からは奥志賀のスキー場のパッチワーク模様が見えた。当初、さらに先の裏岩菅山まで足を伸ばす計画だったが、ノッキリで待つ3名のこともありCLはここ岩菅山を最終目的地に変更した。
午後の下山も心配された雨に遭うことはなかったが、登山口にほど近い分岐の所でポツリと来た。空は明るく日差しもあり、いわゆる狐の嫁入りであった。岩菅山は累積標高800メートルと概してたやすい山である。そしてその美しい山容は横手山と並び志賀高原の盟主と呼ぶにふさわしい。

登山口を出発

小川のせせらぎに沿って行く

ウツボグサが現われる。山頂付近までところどころに咲いていた

オダマキ。接写してみるとアブラムシがついていた

登山道の中間点を通過

ノッキリに置かれたベンチに座り休憩する。背後に目指す岩菅山がそびえる

岩菅山への急登を行く

途中、物凄い強風が吹き、歩みを止めたメンバー

ノッキリへ引き返す3人

花を風下に向け、しなやかに強風に耐えるハクサンシャジン

山頂に到着

秩父宮の登臨記念碑

ほぼ貸切りの山頂

石造りの立派な避難小屋が建ち

内部も気持ちよく使えそうだ

携帯トイレ専用のトイレ

下山

あらっ、雨かしら FIN