アイゼンピッケル講習会
■実施日 2026年2月28日(土) 午前:雨 /午後:小雨時々曇り
■参加者 16名(講師1名、講師補佐2名、参加者13名)
■講習内容
8:00集合、講習会場へ移動
9:00~11:30 ロープワーク講習(会場:白山国立公園センター2F)
11:30~12:00 昼休憩、西山へ
13:30~16:00 アイゼン・ピッケル講習(西山)、反省会、解散
■実施までの経緯
今回のアイゼン・ピッケル講習会に向け、参加者へ事前アンケートを実施。そのアンケート結果をもとに
2/17、2/18夜19時~20時に2班にわかれ講師と参加者によるZoomミーティングを行いました。
参加者は、講師作成のロープワークやイグルー作りの資料をもとに安全環付きカラビナ(HM型)1個と
スリング(120または150cm)1本等を事前準備し、講習に臨みました。
講習会当日は雨予報のため、午前中の講習を室内でのロープワークに変更、無事講習会実施となりました。
お世話いただいた講師、教育部、講師補佐の皆様へ感謝の気持ちとともに、講習を振り返りたいと思います。
〜 午前の部(室内でのロープワーク講習)〜
■ ロープの基本の結びを学ぶ
まずは雪山でも役立つ基本の結びを練習しました。
① もやい結び(ボーライン)
ロープの先端に固定された輪を作る基本的な結び方。
別名 『キング オブ ノット(結びの王様)』
強く引いても締まりすぎず、荷重がかかった後でも解きやすいのが特徴。
ハーネスへの接続や支点作りなど幅広く使用。
② ダブルフィッシャーマンズノット
2本のロープを強固に連結する結び方。
非常に強度が高く、細引きの連結やスリング作成などに使用。
③ ヨセミテフィニッシュ
もやい結びの末端処理方法の一つ。
ロープの抜けや結びの緩みを防ぐため、安全性を高める仕上げとして使用。
④ シートベンド
太さや硬さの異なるロープ同士を連結する際に適した結び方。
スリングやロープを組み合わせ、簡易的なチェストハーネスに使用。

■ ロープの扱いに慣れる
ロープを体に巻いたり、巻かれたりしながら取り扱いを練習。
結び目は講師にチェックしてもらい、正しい形を確認しました。
結び目は重ならず整っていることが重要 です。

■ツリーホール脱出を想定した引き上げ
ロープとカラビナを使った引き上げシステムを体験しました。
実際の事故を想定したロープワークを学ぶことができました。
使用した結びは、下記の通りです。
① ガーターヒッチ
ロープを物体に巻き付けて固定するシンプルな結び方。
木やピッケルなどに素早くロープを固定する際に使用。
② クローブヒッチ(巻き結び)
カラビナや支点に素早く固定できる結び方。
長さの調整もしやすく、仮固定や支点作りなど登山や救助活動で使用。
③ ムンターヒッチ(半マスト結び)
カラビナを使い、ロープの摩擦を利用して確保や下降を行う結び方。
ビレイ器具がない場合の応急確保としても使用。
④ ミュールノット
ムンターヒッチなどで荷重がかかったロープを一時的に固定するための結び方。
ロープを仮固定して手を離すことができ、救助や作業時に有効。

■ 軽量装備の紹介
講師の創意工夫をこらした装備を紹介していただきました。
安全登山のためには装備の軽量化も重要な要素です。

■下山時の工夫、心構えについて
事故は登りよりも下山時に多いと言われています。
速さよりも丁寧な歩行を意識することが大切です。
(左) 下山時はストックを長くのばし、ループに手首通さず、長さを調整するのがオススメ。
(右) ザックと背中の間にピッケルを差し込んだ持ち方、その名もアルペン差し。 素早くピッケルを使うことが可能。

〜午後の部(西山での実技講習)〜
午後は西山へ移動し実技講習を行いました。
気温が3℃と高く、イグルー作りは中止。
アイゼン歩行とピッケル操作の講習を実施しました。
■アイゼン歩行練習
2班に分かれて西山山頂へ。山頂直下の斜面で、ジグザグに登り下りするアイゼン歩行練習を行いました。
同時にピッケルを斜面の山側へ持ち替える練習も行いました。
ピックの向きは、登り:進行方向、下り・トラバース:山側 に向けます。

■滑落停止訓練
雪山で最も重要な技術のひとつが滑落停止です。基本は「転ばない」。
万が一転倒した場合はすぐにピッケルを雪面に打ち込み停止 します。
山側の手でヘッド、谷側の手でシャフトを持ち、胸と肩の体重をピッケルに乗せて停止します。
またアイゼンの爪が引っ掛からないよう、足は浮かせます。
ピッケルのブレード部分で顔など傷つけないよう注意。

■耐風姿勢
強風時の行動についても練習しました。ピッケルを雪面に刺し、体・足・ピッケルで三角形の姿勢を作り耐風姿勢をとります。
強風時は無理に行動せず、風が弱まるのを待つ判断も重要です。

講習終了後、皆で集合写真。講習お疲れ様でした!

ベルクバハト積雪期救助訓練
■実施日 2026年3月8日(日) 曇り
■参加者 20名(KHC 3名、他会17名)
■講習内容
7:00集合、西山へ車移動
9:00~11:00 西山山頂直下にて1回目のイグルー作り
11:30~12:00 DKシェルター実演、体験。 (昼休憩)
12:30~13:00 2回目のイグルー作り
13:30~14:00 緊急時のシェルター作り(L字型シェルタ-)
15:30 西山より下山、反省会、解散
アイゼンピッケル講習会の翌週、同じ西山にて県連ベルクバハト積雪期救助訓練(主管:チャムラン山の会)が行われました。
今回の救助訓練のテーマは、『雪山での体温低下を防ぐためのシェルター作り』。
前週の講習会でできなかったイグルー作りも体験することができましたので、その様子を報告いたします。
■イグルー作り
先週のトレースはすっかり埋まり、プチラッセルで西山山頂へ。
山頂直下の斜面にて各会に分かれてイグルー作りを行いました。
しかし、ブロックが小さい、入口ブリッジなし、内部を掘らないなどの原因で屋根なしとなってしまいました。
その後、各会のイグルーを見学しながら振り返りを行いました。

★★イグルー作りの手順&コツ★★
①場所選びと雪質確認
雪が十分に締まっている場所を選び、ブロックとして切り出せる雪質かを確認。 モロイ雪はブロックに使用しない!
②スノーブロックの切り出し
スコップやスノーソーを使い、長方形のスノーブロックを切り出し。 1段目のブロックはおも雪で大きく!!
③円形の土台づくり
切り出したブロックを円形に並べ、イグルーの基礎となる壁を作成。 土台は大きく作りすぎない!
④ドーム状に積み上げる
ブロックを少しずつ内側へ傾けながら螺旋状に積み上げ、ドーム形に成型。 あまり高く積みすぎない!
⑤隙間の補修と天井の完成
ブロックの隙間を雪で埋め、最後に天井部分を閉じて強度を強化。 屋根雪は軽い雪で細長く!
⑥入口と内部の整形
入口トンネルを掘り、内部の凹凸を整えてシェルターとして使用。 入口閉じないと屋根なしになるので注意!
■DKシェルター体験
小松ブルーベル山の会による実演。
DKシェルターとは、D=どこでも K=かくれると広げてかぶるだけで風を遮断できるシェルター。
軽量コンパクト、風速30mでも耐える強度、体温で内部が温まるのが特徴。
ツェルトより簡単!救助待機や荒天時の緊急避難に有効な装備。

■L字型シェルター作り
斜面をL字に掘り、掘った雪で壁を作る簡易シェルター。
内部でツェルトをかぶることで、イグルーより簡単に暖を取ることができます。

講習を終えて
2週にわたった西山での講習会。
アイゼンピッケル講習会翌日の山行で同行者のワカンのひもがきれ、ダブルフィッシャーで繋ぎ、早速ロープワークが役にたちました。
また講師が『パーティーで各自安全環付カラビナ1個、スリング1本、8ミリ5mロープをもてばいざというとき役に立つ!』ということも
ちょうど先日クラックで落ちた登山者をその場にいた登山者達がピッケルの紐などつないで救出した話を聞き、さらに納得しました。
今回の講習では、実際にロープとカラビナを使っての引き上げができなかったので、またロープワークの講習を会内でもできたらいいなと思いました。
イグルーも初めて作ってみて、テントより風の影響なく温かく有効だと思いました。今回は屋根なしイグルーとなりましたが、
イグルー作りは童心にかえったようでとても楽しかったです。 うまく作れなくても一度作ったことがあれば緊急時に風よけ程度までは
作れると思うので是非皆さんも一度作っていただきたいです。
来年1月の西山例会では、雪洞またはイグルー作りを予定していますのでぜひご参加ください! (記 299)