宝達山(637m)・春蘭の里~平等寺へ
―奥能登の里山の秋を散策する―
■実施日 令和2年11月19日(木) 晴れ
■参加者 10名
■コースタイム
集合場所5:50 → こぶしの路駐車場6:30~6:45 → 宝達山山頂8:45~9:00 → 山の竜宮城前広場9:10~9:25 → こぶしの路駐車場10:30~10:40 → ケロン村12:00~12:20 → 春蘭の里・農家民宿(昼食)12:30~13:50 → 平等寺14:20~14:45 → 桜峠道の駅14:55~15:15 → 集合場所17:00
宝達山でお腹を空かし、「春蘭の里」まで足を延ばして農家レストランを体験するユニークな例会が行われた。
巨大なアンテナが立ちならぶ宝達山は車で容易に山頂まで行くことができる身近な山だ。だが、われわれは大抵「こぶしの路」と呼ばれる登山道を歩く。危険な場所などひとつもない山道は登るも下るも容易で、道筋の木々の解説入り立て札を読めば木のことも覚えられる。この日、能登最高地点、標高637メートルの山頂は日本海から金沢の街並み、白山までもよく見えたが、富山湾や富山平野など東側の景色は朝もやと逆光のせいで見えづらい。もうすこし陽が高く上がれば360度見渡せる素晴らしい展望台になるはずだが、まだ朝の9時だ。私たちは、傍で仕事を始めたばかりの工事現場の監督さんに厚かましくもシャッターをお願いして集合写真に納まると、そそくさと山頂を後にした。心はすでに第二部・春蘭の里で味わう初めての「農家めし」に。
山シャツを着替えて能登里山海道を走り、途中自然体験村「ケロンの小さな村」を見学し、いよいよ春蘭の里、予約しておいた民宿「春蘭の宿」に靴を脱ぐ。漆塗り7寸柱の座敷には御膳がコの字に並び、輪島塗の器に色とりどりのご馳走が盛られていた。嬉しいことに座椅子付きだ。ご主人の多田喜一郎さんが挨拶され、20年以上前に過疎に悩む地域起こしのためこの事業を立ち上げたところ今では農家民宿は40軒を超えるまでになった話を聞いた。海外からの宿泊客も多く、視察が絶えないという。今日の献立はキノコをふんだんに使った精進料理で、山や畑で採れたものとあわせて農家風にアレンジしている。何と、松茸ご飯と具沢山の汁はお代わり自由だ。多田さんと奥さんの心尽くしでお腹いっぱいになった私たちは次の訪問地平等寺へ。前日NHKニュースが平等寺の紅葉を取り上げたので駐車場は込み合っていた。本堂裏の小山をそぞろ歩けば、寺の甍や13体の仏像に鮮やかな赤や黄色が映えて見事だった。
締めに桜峠に立ち寄り、リーダー持参のコーヒーとお菓子で一休み。帰路の車内はまるで秋の奥能登を1日楽しんだドライブ帰りのようで、朝登った宝達山のことなど誰もがすっかり忘れていた。

宝達山への登山口

登山道脇によくみられる樹木名の立て札
歩きやすい雑木林の道

落ち葉の絨毯模様と配色の妙は自然がなせる美としか言いようがない

宝達山大権現の社殿と電波塔が隣り合う山頂

山頂から山の竜宮城まで車道をのんびり下る

ケロン村の中心で売店などがある建物。土日のみ営業し平日は村内を自由に見学できる

「春蘭の宿」の座敷には輪島塗の御膳にご馳走が並べられていた

春蘭の里事業を説明する代表者の多田さん

この日の献立。山の幸ばかり11品でどれも美味しい

平等寺山門の仁王様

本堂の甍を覆う燃えるような紅葉

境内の小山には13体の仏像が置かれていた

奥能登の里山に深まりゆく秋

コーヒーと魔法瓶にお湯を準備されていたCL・SLの心遣いがうれしい FIN