奥穂高岳
~北アルプス最高峰に立つ~
■奥穂高岳(標高3,190m)
北アルプスの最高峰で日本第3位の高さを誇り、日本を代表する岩壁が揃う穂高連峰はアルピニストの憧れ。山頂には日本アルプスの総鎮守・穂髙神社の嶺宮が祀られている。
今回の例会は、この奥穂高岳に前穂高岳・涸沢カール・パノラマ新道といった、特に紅葉時期にはたまらなく魅力的な2泊3日の周回コースだった...
まさかの天候悪化。岳沢小屋で撤退することになろうとは...
下山後に掲示板に投稿されたCLのコメントです。
「上高地・岳沢から奥穂高岳を目指したものの、天候悪化を告げる現地情報と小屋の屋根を激しく叩く夜中の豪雨。アプリの雨マークも好転せず、悩み抜いた末に登高を断念、上高地へ下山しました。2170mの岳沢の真上に恨みの1020mを残しての撤退は※参加者の心を二分しましたが、山はいつだって登れる、今日の安全が第一と考えました」
※参加者の心を二分した訳として、2日目の午後から天候が回復し出し、3日目が終始快晴予報だったこと。何とか2日目の行程を乗り切れば、3日目は穂高岳山荘からの御来光、青空下の彩られた涸沢カール・パノラマ新道と期待があったからだと思います。無念な撤退でしたが、参加メンバー以上に悩み抜き、撤退を決断しざるを得なかったCL・SLの心情を思うと...あえて高リスクを背負いながら、会員を思い、今回の奥穂高岳周回コースを立案・念密な計画・段取りをして下さったCL・SL。このような機会を作って頂けただけでも感謝しかありません。本当にありがとうございました。
以下、上記の理由により岳沢小屋宿泊・下山、翌日に観光で訪れた明神のレポートになります。
■山行日: 2023年9月30日(土)・10月1日(日)
1日目: 行動中、晴れのち曇り(16時過ぎから雨・夜間は豪雨) 2日目:雨のち曇り・晴れ
■参加者: 9 名
■軌跡とデーター:
9月30日(土)・1日目 金沢市内P集合・発7:00-あかんだなP9:40-バス乗車9:50-上高地BT10:25-河童橋(昼食)10:45~11:10-岳沢登山口11:30-風穴12:10-岳 沢小屋13:53(泊)
10月1日(日)・2日目 岳沢小屋7:30-岳沢分岐9:50-明神観光10:30~11:15-上高地BT・バス乗車13:05-あかんだなP13:40-ひらゆの森(入浴)-金沢市内P18:00着・解散
■岳沢小屋:上高地から岳沢沿いの道を登ること約2時間半、標高2170m地点に建つ山小屋。岳沢は河童橋から正面に見える穂高連峰中腹の溪谷。ここまでの軽登山も人気。途中、上高地を見下ろせるポイントや岳沢名所の風穴がある。
■明神(明神池・穂高神社奥宮):河童橋から梓川沿いを上流へ1時間ほど歩むと明神に着く。ここ一帯は眼前にそびえる明神岳をご神体とした穂髙神社奥宮の神域。明神岳の岩壁直下でいっそう神秘的な静けさを漂わせる明神池は、穂髙神社の神域で古くは「鏡池」とも称され、早朝は晴れの日も雨の日も靄(もや)が出やすいところ。明神池の畔に鎮まる穂髙神社奥宮の御祭神は「穂高見命(ほたかみのみこと)」で、北アルプスの総鎮守、海陸交通の守り神、結びの神として鎮座する。上高地明神付近は古くから、神合地、神垣内、神河内などとも呼ばれ、神々を祀るに最もふさわしい神聖な場所とされてきた。安曇族の神・穂高大明神が降臨されたとも言われる穂高岳。穂高連峰の最高点・奥穂高岳の頂上には嶺宮も造営されている(上高地観光ガイドより引用)
賑わう槍穂の玄関口・河童橋から。期待と緊張で仰ぎ眺めた穂高連峰。中央に元気一杯のメンバー。
振り向くと梓川の先に焼岳。
岳沢湿原。正面に見える六百山(標高2,450m)と立ち枯れの木、澄んだ湧水が何とも趣のある風景。
岳沢登山口↔岳沢小屋間は10区間(登山口が区画地点⑩番)に分けて標識あり。一区間およそ10~15分。温かみのある木の手堀り看板(岳沢小屋・小屋番の手堀りだそう)もそれぞれの区間地点にあり。岳沢名所・天然クーラーの風穴は⑦番。
河童橋から見えていた白系の岳沢の部分、岩石の道を登る。
13::50 岳沢小屋に到着。まずはビールで乾杯!コーヒーも美味しかったそう。
上段に設置してあるDAKESAWA SWING(岳沢ブランコ)
乗り心地良く、眼下に上高地の眺望。晴れていれば上方に吊尾根がみえる。岩盤のテーブル・椅子もおしゃれ。
夕食は岳沢小屋こだわりのカレーバイキング。カレー以外に10品目提供しているそう。カレーはもちろん全種類美味しかったが、個人的にはガーリックシュリンプと杏仁豆腐が嬉しかった。
朝食時間は利用者の都合・意思で決めてもらうスタンス。夕食後に朝食のおにぎり弁当が配られ、翌朝、レンジでおにぎり弁当を温め、フリーズドライの味噌汁と共に美味しく頂けました。
夕食後、天候悪化の情報を前に何度も確認するCLの姿。小屋の外は暴風雨...とにかく明日の朝を待ってからの判断となり、一旦就寝。
雨降りの翌朝、前穂・奥穂核心部のコース上が暴風雨で天気予報も好転せず、撤退の判断が下される。下山時、登山道上に濁流の沢ができており一瞬たじろぐ。CLが渡渉箇所を見極め、何とか濡れずに通過。見上げると岳沢上部に立派な滝もできていた。一番下の写真は前日の沢ができていない登山道。
昨日より色鮮やかになった紅葉。
岳沢登山口に近付くにつれ、雨が上がってきた。時間はたっぷりある為、観光で明神へ。明神池の入口に鎮まる穗髙神社奥宮に参拝。
神域にふさわしい静寂の明神池。計算しつくされたように湖面に顔を覗かせる岩々。池の頭上には御神体・明神岳も姿をみせてくれました(写真には写ってません)
明神橋にて。
撤退は仕方なく無念でしたが「来年、必ずリベンジで例会をします。皆でまた行きましょう!」との嬉しいCLの言葉、頼もしくメンバーを引率してくれたSL、前向きにとらえ和気あいあいと過ごせたメンバーには感謝しかありません。本当にありがとうございました。