奥城山 515m
―史跡とシャクナゲの春山―
■実施日 令和3年4月10日(土) 晴れ
■参加者 15名 A健
■コースタイム
集合8:00 → 里山自然学校大杉みどりの里9:00 → 城山9:45 → 奥城山10:25 → シャクナゲを見に行く → 奥城山10:50~11:30 → 大杉神社12:40 → 里山自然学校大杉みどりの里13:00 →集合場所14:00
朝から雲ひとつない絶好の山日和、8時集合というのもありがたい。
小松の大杉谷はかつて林業や木炭製造で賑わったが、今はもっぱらその豊かな自然を生かした体験学習の場を提供している。その拠点となる「里山自然学校大杉みどりの里」の建物脇に奥城山登山口がある。見事なスギ林の中にたたずむ「蓮如上人お杖の名泉」に足を止めてフムフムとうなずき石碑を読む。上りは「やす谷コース」をとった。木の幹に縛りつけられたまな板?を木槌で思いきり叩いてクマに挨拶してから、ヤブツバキやタムシバが咲く心地よい登山路を登る。上着1枚脱いで急登を登り終えると標高390mの城山に到着した。ここに山崎城というのがあったらしく、恐らく戦国時代、柴田勝家軍を迎え撃つため一向一揆が立て籠った山城であろう。すこし下って登り返し、二度目の急登を詰めると綺麗なシャクナゲの花に迎えられて標高515mの奥城山に着いた。城山の奥にあるので奥城山か・・・分かりやすいね。周囲の山も比較的低いため山頂の眺めはやさしい里山といった風情だ。眼下に広がる明るい谷間の木々が芽吹き始めて春色を放っている。際立つのは兜山から鈴ヶ岳への尾根筋で、その奥は残雪を頂く大日山だ。
登山道は奥城山の頂上よりさらに先、樹々の間を大鶴山へと延びている。私たち一行はシャクナゲの群落を求めてこの細尾根に分け入った。地元の方による登山道整備が行われた情報をネットから得ていたが、張り出した幹や太い枝を切り払った真新しい痕がある。しばらく進むと、満開の見事なシャクナゲが両側から径をふさぐように密生していた。これまで見たことがない数の群落だ。そんな光景が100メートル以上続いていた。後から別のグループもやって来て一瞬過密状態になったものの、この山の人気の程がうかがえた。
大満足で奥城山まで引き返し、お昼を済ませて下山開始。帰りは途中の分岐から大杉神社コースを下る。シャクナゲの蕾や草木の芽吹きにまとわりつく陽光に春を感じながら緩やかな尾根道を辿り、その後渓流に沿ってスギの樹林を下りて大杉神社裏手に出た。正面にまわると荘厳な社殿もさることながら、樹齢500年近いイチョウの大木に皆の目が釘付けに。地上五メートル程のところから数十本の乳房に似たものが垂れ下がっているではないか。「乳柱」などと呼ばれる気根は老イチョウ特有の現象らしい。興奮冷めやらぬままみどりの里近くに停めた車に戻りこの例会を終えたが、花も木も水も石も、目にする物すべてが素晴らしくエキサイティングに私には思え、それは楽しい自然体験であった。FIN
出発地となる大杉みどりの里。裏手に城山へと続く尾根筋が見える
見事に手入れされたスギの美林を進む
蓮如上人お杖の名泉。不安に満ちた15世紀、彼は救世主であり門徒の最高指導者だったのだろう
やす谷コースへの分岐
熊対策のため入山時に打ち鳴らす板と木槌が設置
ヤブツバキがあちこちに咲いて急登の疲れを癒してくれる
城山山頂に設置された吸い殻入れだが、ここでタバコを吸った人がいるのかと中を覗くと・・・
底が半分破れていた・・・。喫煙者は必ずマイ灰皿持参を
ミツバツツジかな?
タムシバの花
山頂直下でこの日初めて出会ったシャクナゲに心ときめく
奥城山に到着。正面の山は鈴ヶ岳、その右奥が残雪の大日山
大鶴山へと延びるシャクナゲロードにしばし潜入する。いよいよ核心部だ
満開のシャクナゲロードを引き返す
下山路の大杉神社コースにもシャクナゲは咲いて私たちを見送った
杉林の途中に高さ4メートルはある大岩。なぜここにあるのだろう?
大杉神社社殿前の大イチョウ。垂れ下がった乳房に仰天。昔から「乳柱」は乳不足の婦人に効用があると言われたそうだがどうして?
荘厳な大杉神社はここ大杉谷に生きる人々の心の拠り所に違いあるまい。境内は掃き清められて杉の落葉さえなかった
大杉の里は今が春爛漫