大猫平 (1857m)
急登 藪漕ぎ 剱岳の大展望を楽しむ ランクB
■実施日 令和2年9月22日(火)秋分の日 曇り
■参加者 5名
■コースタイム
集合場所発5:30→馬場島7:00~7:25→ブナクラ取水口(登山口)8:10→大猫平11:35~12:50(昼食 周辺の下草狩り)→ブナクラ取水口15:35→馬場島16:15~16:30→集合場所着18:10
先日の下見(HP個人山行報告参照)で登山道が荒廃のため大猫山山頂踏破は難しいと判断、本例会は頂上部を割愛し大猫平までにコースを変更した。参加者はリーダーを含めベテラン級の5人である。下見レポートに「平均30度の急登」と書いたのは大袈裟だったが、大猫平までほぼ直登の標高差900mを登り、そして降りた。
大猫平で昼食を取り始めたら周囲はホワイトアウトに、剱岳も五竜岳も隠れて見えなくなった。あわてて大猫山をバックに集合写真を撮り終えた途端にもうガスが上がって来る始末、展望食堂をゆっくり楽しむ状況ではなかった。今回私たちは頂上を目指さない代わりに登山道整備に少しでも協力できないかと鎌を携行している。手分けして周辺登山道の下草を刈るためだ。大猫山方面へ300mほど踏み入れると、下見の時と変わらぬクマザサの密生状態がそこにあった。鎌を振るって少しだけ開拓したものの、登山道の手入れがどんなに大変な作業か分かった。
帰路はメンバーのKさんが草陰の倒木に膝をぶつけたり、つかまった木の枝が突然折れたりとご難続き。幸い怪我もなく計画書通りのタイムで全員無事に下山したのだが、登山道の未整備を徒に責めることはできまい。20年前、地元有志によって馬場島から大猫山までルートが開かれたが利用者が少なく、それでも地元の人の努力で細々と守られてきた経緯がある。大猫山は決して易しくはないが、素晴らしい眺望を求めてもっと積極的に歩かれていい山である。
この日出会った人は幕営単独行の中年男性のみ。おととい馬場島からブナクラ谷を詰めて赤谷山でテン泊、昨日はブナクラ峠にデポした水を回収して猫又山に登り稜線で一泊し今朝大猫山経由で下りて来たという。「風が強かったが猫又山は最高だった」と涼しい顔だ。その風貌と色あせた山シャツや大型ザックに豊かな登山経験がにじみ出ていた。 fin
登山口まで作業車両専用道路を歩く。かつては一般車が登山口に近いブナクラ取水堰堤まで入ることができた
30度近くある急登を木の根やロープ、草の葉まで掴めるものは何でもつかんで攀じ登る。ストックは役に立たない。脚力と握力がものを言う中景は中山からクズバ山の稜線。遠景は大日岳と奥大日岳。
実が赤く色づいたオオカメノキ。背後は次第にガスが上がってきた剱岳早月尾根赤谷山の向うにそびえる五竜岳はこの撮影直後に雲に隠れ二度と見えなかった
昼食の前に大猫山をバックに集合写真。ガスに包まれたらここが大猫平なのか疑わしくなる
大猫平にて。登山道を覆い隠している夏草を刈り払う蔓延るクマザサを刈りながら下山クマザサに隠れて古い倒木の先端が登山道にはみ出ていた。こいつで膝を痛めたら激下りは絶望的だ2本のロープにつかまり腕の力で手繰りながら足を岩と直角にして踏ん張って登るのはつらい。ここはやはり梯子の設置が望まれる難所斜面でつかまっていた木の枝が突然折れた。まさかこんな太い枝が折れるとは!折れた枝の破断面。枝が腐っていたのか負荷に耐えられなかったのか、どっちだ?全員無事に登山口へ下りた。ブナクラ沢対岸の山のテラスにこの日もいたカモシカくん。下見の時は2頭いたけど相棒はどうしたの?