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2024/05/12

戸隠山・九頭竜山 個人山行

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戸隠山・九頭竜山

~伝説と修験の歴史が包む、険しい山稜をいく~

 
長野県長野市にある戸隠山と九頭竜山。麓にはパワースポットとしても有名な戸隠神社があります。

この山域は全体として古い岩質で構成され、脆く崩れやすい地質。山の形状が屏風形でるため、切り立った崖を登り縦走とならざるを得ない。連続する岩稜帯の鎖場や幅50cm前後しかない岩稜尾根・両側が断崖絶壁である「蟻の塔渡り」「剣の刃渡り」など危険箇所が多く、登山上級者向けの山とされています。

今回、戸隠表山と呼ばれる山域の二峰・戸隠山と九頭龍山を周回するベーシックコースを、高妻山登山者用無料駐車場に駐車し、時計周りで登りました。

快晴のもと、風が吹くタイミングにも恵まれ、とても貴重な体験をさせて頂いた戸隠山・九頭竜山。その時の感動と山行を振り返り残したく、ここに記します。


■山行日: 202455日(火)快晴         

■参加者:6名(会員外1名含む)                

コースタイム

高妻山登山者用無料P 715― 戸隠奥社参道入口 813 戸隠神社奥社・九頭竜社(参拝) 855905 百間長屋1020― 蟻の塔渡り1122 八方睨(大休憩) 11421247― 戸隠山 1250 ― 九頭龍山1345― 一不動避難小屋1455 ― 氷清水1510― 戸隠牧場1610― 高妻山登山者用無料P 1640


戸隠山標高:1,904m  九頭竜山標高:1,883m
歩行距離:11.2km 累積標高:登り982/下り984m  


コースマップ(長野県山岳ガイドHPより引用)

 

 

 

まずは奥社参道口へ向かいます。車道を歩いても行けますが、せっかく快適な遊歩道(さかさ川遊歩道・奥社入口まで1.8km)があるのでそちらを通ります。いきなり水芭蕉群生のお出迎え。

 

 

見上げるカラマツの新緑、水辺にビタミンカラーのリュウキンカ(立金花)、カタクリの花にも癒されます。

 

 

 

奥社参道口・大鳥居から随神門へ続く参道脇には涼し気に浮かぶ桜の花びら、ニリンソウの群生が可愛くてなかなか進めません。

 

 

 

奥社への参道のほぼ中間地点、趣のある随神門。随神門から先はまさに神域。空気感ががらっと変わります。

 

 

 

振り返ると、陽光が射し神々しい随神門。

 

 

 

奥社に続く参道は豪壮な杉並木。両側にそびえ立ち並ぶ、樹齢400年とされるクマスギの大木には毎回感動。神聖な気持ちになれる。



 

戸隠神社の奥社と九頭竜社で安全な山行を祈願し、少し戻った社務所横の登山口から本格的な登山の開始です。

 

 

 

登山道に入るとすぐに傾斜のきつい登り坂が続き、段差の大きな箇所もちょこちょこ出てきて体力を奪われます。

 

 

 

向かう戸隠山から九頭竜山への鋸状の峰を眺める

 

 

 

岩壁・圧巻の百間長屋

 

 

 


西窟。10m上部にある洞穴の祠を確かめるべく、垂直な岩壁をすいすいと登るTさん(会員外) さすがです!

 

西窟を超えると連続の鎖場(10箇所程度だそう)
以下の3枚は、三点支持を守り、ひとつひとつ慎重に突破中の写真です。










そして、戸隠山最大・高さ約15m程の鎖場・胸突岩です。青空に向かってほぼ垂直に登る岩壁ですが、ホールドがしっかりとあります。

 

 

 

胸突岩を登り切ると、今回の最大の難所・蟻の塔渡りです。

道幅50㎝前後と非常に狭く、両端とも150mも切れ落ちた鋭い岩尾根崖のため、道中の疲労と相まり、事故が多いのだそう...
 

奥社側から入ると右側に鎖付の迂回路がありますが、ほぼ垂直のクライムダウン...しかも、この迂回路も剣の刃渡りは免れない構成になっています。




とにかく、気持ちを整え、いざ蟻の塔渡りへ!

まずは鎖をつかみながらの登り出し(この鎖は最初だけ...) 

とてもとても立ち歩く度胸?はなく、馬乗りや四つん這いにならざるを得ない。恐怖心とバランスを崩しそうな感覚が付いてまわり、動けなくなること数回。

注意深くみると、岩の側面にかろうじて足を置けるステップが数箇所(一部、軟らかく崩れそうな感触)あり。岩の上部を持って3点支持でトラバース。

特攻隊長Tさんのアドバイスもあり、なんとか足運びをイメージして実行に移し、剣の刃渡りもクリア。この時間帯は風がなく、後続する登山者がいなく、岩も乾燥しており、これ以上ないような最高のコンディションでした。

以下、格好はどうあれ、とにかく滑落しないよう、安全に渡るメンバーの写真が続きます。








臨場感、感じてもらえたでしょうか?

 

 

個人的に一番怖くて動けなかったのは、こちらの剣の刃渡り(少し下る)でした。

 

 

 

蟻の塔渡り・剣の刃渡りの全貌。

 

 

 

その後、少し登った稜線上にある「八方睨」という広く眺望の良い場所で大休憩。突破出来た喜びと、緊張から解き放たれた後の食事は最高でした。

 

 八方睨から。なだらかな山容の飯縄山。中央に歩いてきた奥社参道の杉並木。右に鏡池。右手前に蟻の塔渡り・剣の刃渡りの絶景。

 

 

 日本百名山の高妻山。戸隠連峰の最高峰。別名「戸隠富士」と呼ばれています。


 


 
険しいという連なる西岳。後方に白馬三山や雪倉岳、朝日岳、北アルプスも所々雲がかっていましたがよくみえました。



八方睨から緩やかな稜線上を10分程度歩くと戸隠山山頂。山頂は広くありません。眺望も八方睨の方が良いです。


戸隠山から九頭龍山の間はアップダウンがそれなりに多い。残雪や右側が切れ落ちた所が数箇所あり、足を滑らせ滑落しないよう気を付けました。
途中、所々に咲く小さく可愛いヒメイチゲ(姫一華)に癒されました。

 

 


荒々しい九頭龍山の岩壁

 

 

 


九頭龍山。ここも山頂は広くないです。九頭竜山を越えても急登や鎖場が待っていました。

 

 

 一不動避難小屋に到着。高妻山方面への分岐箇所。

ここから高妻山登山でも使用する沢沿いの道で戸隠キャンプ場方面へ下山。

 

 

 

大きく踏み抜きそうな雪渓を数箇所通過。

 

 

 「氷清水」という水場。名前のとおりとても冷たかったです。

 

 

「帯岩」の鎖場トラバース。水が浸み出て濡れた箇所もあります。

 

 

 

何箇所もの渡渉を繰り返す。登山道にも水が流れていて、浮石や岩で滑りやすく、集中力を切らさないよう下ります。

沢の音と風が心地良い。



 

戸隠牧場に到着。ニリンソウの群生が安堵感を演出してくれました。

 



そして、振り返ると歩いてきた稜線上にこの陽光と目を惹く雲。

 

この山行から1週間経ちましたが、修験体験で明らかに気持ちの変化がありました。これほど浄化されたような感覚を覚えた山は初めてです。

プランニング・実施・岩場経験の乏しい筆者と行動を共にしてくれた頼もしいメンバーに心から感謝です。

写真提供:会員NO.299・311・374・391の皆様、会員外のT様
記:会員
NO.354


戸隠山写真映像 会員NO.299さんが編集して下さいました。ぜひ、ご覧になって下さい。 


 






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