残雪の白山
令和元年6月1日(土) 天候:快晴 午後から曇り
ランクB 参加人数13名
コースタイム集合場所 5:00 - 別当出合駐車場 6:10 - 別当出合登山口 6:30 - 中飯場 7:20 - 覗き 8:04 - 甚之助避難小屋 8:50 - 南竜道分岐 9:32 - 黒ボコ岩 10:19 - 五葉坂 10:36 - 白山室堂 10:52 - 御前峰(白山)山頂 11:53 -
白山室堂(昼食)12:25 〜 13:05 - 黒ボコ岩 13:26 - 甚之助避難小屋 14:30 - 中飯場 15:40 - 別当出合登山口 16:23 - 別当出合駐車場 16:33 - 集合場所 18:00
データ
所要時間:約10時間
歩行距離:約12.5km
標高差 :約1400m
累積標高:+ー約1500m
注)データは別当出合登山口からのものです、上のグラフは別当出合駐車場からの往復を表示しています。
毎年恒例の残雪の白山例会です。
この日は天候に恵まれて終始順調な山行で、ほぼ計画通りに全てのコースを回り無事に下山することができました。
雪は少なく、やや柔らかめのシャーベット状で足を取られるちょっと厄介な箇所も散見されましたか?
それでも、残雪歩きの楽しさは十二分に味わえたと思います。
メンバーの年齢層も40代から70代とバラエティに富んでいて、歩きながらの会話も弾み笑いが絶えない道中でした。
満足度の高い例会になりましたね。
この時期は装備選びに迷います。
アイゼンは使わなくても必須ですし、二本ストックにするか、ピッケルにするか悩ましいところです。
どちらを選択するのが一概に正しいとも言い切れず、その人その人で使いやすいというか相性というものもあります。
5月初旬であればアイゼンピッケルは必須ですが、6月になると雪が緩んでシャーベット状になりますし、先行者がステップをつけてくれていることが多いのでアイゼンはいらない場合もある。
急に気温が下がったりすると残雪が硬く締まりますのでそういう状況だとアイゼンも必要??
ぶっちゃけ、行ってみないとわからない??w
今回はほとんどのメンバーが二本ストック、2名だけがピッケルを使って雪渓を登りました。
実際に一番の難所である十二曲がり手前の雪渓はトラバースの踏み跡がしっかりとついており、十二曲がりもほぼ夏道が露出していましたのでそれほど危険な箇所はなかったと思います。
夏道を歩くのはなんだか勿体無い気がして、あえて雪渓を登るメンバーもいました。
下りはアイゼンをつけて雪渓を降るメンバーもいれば、アイゼンなしでピッケルで下るメンバーも約2名いました。
結論から言えば、どちらもありという感じでしたか?
速さという見方では、超ベテランメンバーがアイゼンなしピッケルであっという間に下ってしまい、早い!!
それもベテランだからこそなし得る技で、それが正解ということでもありません。
その人その人で一番安全に上り下り出来る装備が一番なのは確かで、その辺は相性とか経験で決まる感じでしょうか?
十二曲がり以外は危険箇所もなく、雪は少なめながらも残雪歩きを存分に楽しめたんじゃないでしょうか?
帰りは、エコーラインを下るか?砂防新道往復するか?で意見が分かれました。
南竜道はほぼ夏道が露出していてそれほど危険はなさそうでしたが、エコーラインの終盤あたりの様子がつかめず室堂の方に聞いてみると「雪庇があって危ないかもしれない」という返答でした。
「大丈夫」と言われたのであれば行ってみても良かったと思いますが、
「危ないかもしれない」のに行くのはダメでしょう!という結論になりました。
このコースはこれからも開催されるはずなので、今後もそのような判断をしてもらいたいと思います。
5〜6人のパーティーで経験や実力がはっきりとわかっている場合はまだしも、13人もいると経験や体力も様々で、雪が緩んでいる雪庇の上に乗ってしまうと滑落も考えられます。
何れにしても、危ないところには近づかない!
迷った時は行かない!
行かなければ危険な目に合わない!これが、安全登山の基本ですね。
もう一つ迷うのが服装選びですか?
寒いのか?暑いのか??行ってみないとこれまたよくわからない^^;w
ゴアテックスのアウターと風通しと発汗性の良いインナーは必須ですけど、もしかしたらフリースとかシャツとかも必要??
実際室堂に設置されていた寒暖計は+2度Cを指していました。
私自身は長袖のコットンのTシャツの上に、綿のシャツを着て、その上にフリースを着ていましたが10分も歩かないうちにフリースもシャツもザックの肥やしというか重石に成り下がり二度とザックから取り出すことはありませんでした。
長袖のインナー一枚とゴアテックスのアウターがあれば事足りた感じです。
ゴアのアウターも動いていないときは風が冷たくて寒いのではおりましたが、歩き出すと暑くて脱いでしまう感じで、山頂でも必要ありませんでした。
昼食時だけは着ていないと寒かったです。
これもまた、たまたま晴天で暑かったのでこういう結果になりましたが、天候が悪化したり雨が降ってこないとも限りませんし、難しいところです。
通気性、発汗性の良いインナー、ゴアテックスのアウター、天候悪化に備えてライトダウンをザックに入れておく感じで対応できそうかな?
ただし、半袖はNGです!
6月は一年のうちでも最も日差しが強く紫外線も多く浴びる時期ですので、肌を露出すると日焼けというよりは火傷に近い感じになる場合があります。
夏山であればなおさらです。
何れにしても、残雪期は何かと装備品が増えがちになります。
しかしながら長時間の山行であれば荷物は軽いに越したことはない!
何が必要で、何がいらないか?
この辺の見極めはもう経験値を積むことでしか判断できないと思われます。
今回は自分自身の未熟さを思い知らされた感じですかね??w
花はニリンソウがたくさん咲いていました。
サンカヨウが標高の低いところではすでに終わっていて、標高が上がると満開のところもあり、やっと芽吹いたばかりの株もたくさんありました。
あとは、チゴユリ、ユキザサ、マイヅルソウ、アカヤシオ、キンキマメザクラ、ホウチャクソウ、ショウジョウバカマといったところでしょうか?
ハクサンマイマイにも出会いました。
それでは、写真にコメントをつける形で詳細をご紹介してゆきます。
朝日が顔を出した午前6時半いよいよ残雪の白山例会のスタートです!
霊峰白山登拝道の鳥居をくぐって進んでいきます。
今回は砂防新道の往復なので吊り橋を渡ります。
砂防新道序盤はすでに新緑を通り越して夏山の風情でした。
ユキザサが咲いています。
最初の難所、石段の急登を登ります。
この程度で息が上がるような軟弱な人は今回のメンバーにはいません!w
精鋭メンバーが集結しましたので顔色一つ変えずにスイスイと登ってゆきます。
急登の後はしばらく平坦な道が続きます。
朝の光が眩しく、、、、、。
中飯場で小休止。
水洗トイレが使用可能。
給水も可能となっていました。
夏場になると飲用不可の案内が出ることがありますが、そのような表示はありませんでした。
まだまだ序盤!
先を急ぎます。
と言っても今回はSLの絶妙なペース配分でゆっくり目で助かりました^^;
ダケカンバの若葉が青空に映えます。
こんにちは^^;
あなたはハクサンマイマイさんですね?
覗き付近はニリンソウの花盛り。
甚之助避難小屋の手前から残雪が現れます。
シャーベット状の柔らかい雪でした。
甚之助の屋根が見えてきました。
甚之助避難小屋で小休止。
トイレが使えました。
給水は不可です。
先へと進みます。
再び夏道が顔を出します。
そしてまた残雪歩き。
赤兎山、経ケ岳、大長山、取立山方面の視界がひらけてきました。
南竜道分岐を通過。
分岐直後からまた残雪歩きです。
所々夏道が現れます。
この辺は完全に夏道です。
何回か雪渓をトラバースしました。
雪が柔らかいのでアイゼンは使いません。
夏道に岩がゴロゴロしているので爪を痛めてしまいますね。
残雪も残りわずかという感じです。
十二曲がりの手前の雪渓。
今回のコースの一番の難所です。
雪はシャーベット状でアイゼンがなくても二本ストックかピッケルがあれば危険は感じませんでした。
雪渓をトラバースして十二曲がりを登っていきます。
左よりに進めばすでに夏道が露出していました。
十二曲がりの雪渓と別山。
滑落すれば谷底までジェットコースターですね!
あえてピッケルで雪渓を進む超ベテラン会員。
約1名後に続きました。
黒ボコ岩が見えてきました。
黒ボコからの別山
弥陀ヶ原の木道。
残雪が柔らかくて足を取られます。
五葉坂の序盤の雪はすでに溶けています。
五葉坂後半は完全に夏道です。
室堂に到着。
室堂の雪も時間の問題ですか?
お社の鳥居もほとんど姿が露わになりました。
5月下旬の高温で一気に雪解けが進んだようですね。
荷物をデポして御前峰山頂を目指します。
残雪は序盤のみでほぼ夏道歩きでした。
山頂へのルートには残雪はありません。
御前峰 白山奥宮
山頂に集う登山者達!
まるで夏山のような賑わいでした。
この時期でこの様子だと夏になったら一体どうなることやら???
御前峰山頂です。
白山山頂からの別山と室堂。
山頂をさらに進みます。
大汝峰と紺屋ヶ池
御宝庫方面に進みます。
六地蔵跡
この地点まで歩いてここからいよいよお楽しみの??w
尻セードでGO!w
残雪の時期だけのお楽しみです!
室堂に戻って昼食にしました。
お腹ペコペコ^^;w
ここからは下山時に見たあれこれ。
上りは蕾状態だったニリンソウも帰りは満開でした!
一輪草や二輪草の仲間は日が暮れると花を閉じて、日が当たると花を開きます。
アカヤシオが満開!
キンキマメザクラ
不動滝は水量がかなりありました。
夏場になると枯れてしまうこともあります。
サンカヨウの群生。
まだまだこれからというものもたくさんありました。
ホウチャクソウ
吊り橋が見えてくるとホッとしますね^^;w
マイヅルソウの群生。
吊り橋を渡って、、、、。
ほぼ計画書通りに別当出合に戻ってきました。
残雪の白山例会、無事終了です。
今回は晴天に恵まれ、下りはガスが日差しを遮ってくれて助かりました。
精鋭メンバー達が集結したので全く不安のない終始順調な山行でした。
計画や下見をしてくださったCLさんSLさん。
また、白山の神々に見守られながら楽しい一日を過ごせたことに感謝ですね。