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例会山行報告 >> 記事詳細

2023/09/09

甲斐駒が岳・仙丈ヶ岳例会(1日目と3日間を通して)

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甲斐駒ヶ岳(2,967m)・仙丈ヶ岳(3,033m)[1日目と3日間を通して]

 テント泊で南アルプスの名峰を訪ねる 

 

【日  程】2023825()27()

【参加人数】5

【計画の概要】

南アルプスの女王「仙丈ヶ岳(3033m)」、南アルプスのプリンス「甲斐駒ヶ岳(2967m)」、これら名峰を一度に眺める「栗沢山(2714m)」の3峰を巡る23日をテントで過ごす贅沢とも言える計画。

仙丈ヶ岳の登山道は全般的に歩きやすく、危険個所も少なく3000mを超える山としては登りやすい。今回ベースとする長衛小屋は標高1980m(北沢峠は2030m)からの山頂までの高低差は1100m弱と3000m級の山としては挑戦しやすい。

一方の甲斐駒ヶ岳は山頂付近は花崗岩が露出しており、遠くから見ると雪が積もっているかのように白く見える。途中の駒津峰(2752m)を過ぎるあたりから岩が多くなり、取付きの六方石(2718m)から山頂まで一気に250mを上るのでそれなりの体力が要求される。岩場を上るルートと花崗岩のザレ場を通るルートがあるが、今回は後者とした。

本例会は昨年同時期に同様の計画で実施されたが、3日目に予定していた仙丈ヶ岳行きが雨天で中止となったことから、再挑戦として計画した。

【活動概要】

3日間を通して山行中は雨に合うこともなく、天候に恵まれた山行になった。テント場では仲間との会話を楽しみ、仙丈ヶ岳では雷鳥との出会いを楽しみ、各山々の麓では南アルプス特有の苔生す樹林帯を楽しんだ。

初日の栗沢山では雲に包まれてしまったが、2日目の仙丈ヶ岳、3日目の甲斐駒ヶ岳は天候に恵まれ、富士山、白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)、鳳凰三山、南アルプス(八ヶ岳方面)、中央アルプス、北アルプスの展望を堪能することが出来た。

2日目、3日目共に早朝4時過ぎに出発することで、9時頃には山頂に到着出来ていたことから雲が沸き上がる前に存分に大展望を楽しむことが出来た。未明~朝の時間帯は涼しく登れて快適。暗い空間からいつの間にか明るく変化している空の色・鳥のさえずりも心地良い。大海原のような雲海の上に御来光も拝め、夏の登山は可能な限り早出が良いと再認識できた山行でもあった。

仙丈ヶ岳途中では白山と富士山の2座が同時に臨める場所があった。このことは地元白山から富士山が望めることが出来る!と個人的に確信。いつの日か白山から富士山を見ることが出来ることを楽しみにしたいと思う山行にもなった。

(トピックス)

・天候について:出発時の天気予報では南からの風で太平洋の湿った空気が入り込む天候で午前は晴れ、午後からは曇り、雨天の3日間を過ごすつもりだった。しかし、日本列島東の海上を北上した台風10号の影響か、2日目午後から南からの風が北からに変わり、特に3日目は心地よい晴れの日を楽しむことが出来た。

・栗沢山では2週間前の雲の平で同じ時間を過ごした青年とので出会い、甲斐駒ヶ岳ではyoutuberの撮影との遭遇もあり、盛り沢山の山行になりました。

・今回は、最近課題と感じている「携帯電話不感地域での家族等への連絡のあり方」、「事故等を想定した緊急連絡先の確認方法」をテーマとした活動も行った。

・事前調整:8/18zoomを利用して参加者との山行準備の調整会を行った。共同装備や夕食準備等の調整、装備の確認等を行った。加えて、携帯電話不感エリアの事前確認、緊急連絡先事前確認の試行を行うことを伝え、参加者の了解を得た。

・参加者の役割:3座を巡るため、HP係を全体+初日担当を含め3名とし、HP係の負担軽減を図った。下山後の周辺情報の収集も山行を有意義にすると考え、食事・風呂係を特設した。

 

【活動実績】

▼1日目:栗沢山 曇り、歩行距離:4.6㎞ 累積標高差::上り/下り736m

金沢発3:00→高山市→(R361)→伊那市→仙流荘駐車場7:30着→仙流荘バス停(805発・北沢峠行バス乗車)→北沢峠バス停9:00→長衛小屋9:15(テント設営、食事)→長衛小屋テント場1046→栗沢山12391330→仙水峠14211438→仙水小屋1510→長衛小屋テント場1538(夕食、テント泊) 《詳細な報告は後述》

2日目:仙丈ヶ岳 晴れ・夕方一時雷雨、歩行距離:10.5km 累積標高差:上り/下り1,223m

長衛小屋テント場425→小仙丈ヶ岳730750→仙丈ヶ岳855930→仙丈小屋9401020→馬ノ背ヒュッテ11001120→藪沢小屋1140→北沢峠1325→長衛小屋テント場1340 《詳細な報告はこちらから》
 3日目:甲斐駒ヶ岳 晴れ 歩行距離:9.3Km ●累積標高差:上り/下り1186m

長衛小屋テント場410→仙水小屋445500→仙水峠535550→駒津峰715740→六方石802822→甲斐駒ヶ岳(食事)9121032→六方石11151120→駒津峰11371155→双児山12231256→北沢峠14:05→長衛小屋テント場14:15(テント撤収)→北沢峠バス停14:5015時発仙流荘行バス乗車)→仙流荘バス停1600→伊那市→(R361)→高山市→金沢着・解散(途中入浴、食事)2230 《詳細な報告はこちらから》

 

1日目の概要】

金沢から仙流荘:早朝3時に金沢を出発し、予定通り仙流荘駐車場に7時半に到着。既に約20名が8時発のバス待ちをしていた。仙流荘駐車場は300台くらいのスペースがあるので10時発のバスを選択する案もあったが、駐車場の空き状況や伊那市の朝の交通事情など未知の世界のため、金沢発5時の選択は見送った。

仙流荘から北沢峠バス停:約1時間の移動。全員が着座での乗車だが、空席が無ければ荷物は自分の膝の上に置くことになる。バス停からテント場が近いのでテント装備はザックに入れずに別のバックで運ぶ案もあるが、個人的には荷物は1つにまとめた方が膝の上での荷物の座りはよいと思う。

バスの運転手のコミカルな道案内や山案内を聞いていると1時間は苦にならないかも。

北沢峠バス停から長衛小屋テント場:車も通ることが出来る整備された砂利道を10分ほど歩くと長衛小屋テント場が見え始め、長衛小屋に到着する。テント場所使用料を支払い、テント設営、昼食後に希望者で栗沢山で足慣らしの準備をする。

栗沢山(標高2714m):「南アルプスの天然水」のCMで宇多田ヒカルが登ったことで一躍有名になった水の山。

昨年の例会はピストンだったが、今年は3日目の未明から歩く甲斐駒ヶ岳コースの一部下見も兼ね、栗沢山からの下りを仙水峠経由とする周回コースを歩いた。

登山口は長衛小屋前にある橋を渡ったところにある。左手は甲斐駒ヶ岳と標識がある。

上り始めは南アルプス特有の苔生す樹林帯を歩く。道はほぼ急登だが整備されている。森林限界を超えるとハイマツと同時に岩場になる。山頂が見えてから意外と距離がある。山頂からは甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳や北岳等が一望出来るが、今回は残念ながら雲の中で眺望は殆ど無かった。

我々しかいない山頂で休んでいると仙水峠側から上ってきた青年と出会う。仙水峠側の登山道の様子を尋ねた後、少し世間話をしていると青年が鷲羽岳や蓮華岳の話をしてくる。確認すると2週間前にKHCメンバーの個人山行で訪れた雲の平山荘泊に泊まったとか。1日違いでの宿泊、同じ時間に同じ山域の感動を共有していたことが判った。出会いとは不思議なものだ。

栗沢山から仙水峠:山頂直下は急峻な岩場でルートが判りにくい。注意して下山。

仙水峠から長衛小屋:緩やかな下りだが、不規則で鋭利な岩場が続くため、歩行には注意が必要。森林帯に入る前後からは多様な苔の植生を楽しむことが出来る。仙水小屋を経て40分ほどで長衛小屋に到着。

夕食:同じ釜のご飯とはいかないが、SLが用意してくれた鍋料理を楽しむ。日頃はゆっくり話すことはないメンバー。他愛のない話、家族の話、山への思いなどよい親睦の時間となった。準備に奔走してくれたSLに感謝!

2時の起床、3時出発と早朝からの活動だったので翌日からの秀峰2座への募る想いを抱き、早々に就寝とした。

【おまけ】

(2日目サマリ)午後からの天候崩れに備え、出発時間を4時に前倒し。この結果、下山後の食事が早まり、食事を終えてテントに入った途端に雨になったが、濡れることは無かった。 《詳細な報告はこちらから》

(3日目サマリ)帰路のバス出発時間15時に合わせて出発時間を4時に前倒し。双児山までは予定通りだった。しかし、双児山の心地よさと振返り時間で長時間滞在となった結果、テント場着が1415分になり、テント撤収が20分間と短時間の行動を強いる結果となったことはCLとして大いに反省! 《詳細な報告はこちらから》

【その他】

(携帯電話不感対応)携帯電話キャリアが提供している情報より不感エリアは広いと感じた。北沢峠にあるこもれび山荘の方の情報を参考にすると、キャリアの情報は好天で雲が無いなどの条件でのベストケースのようだ(備考:電波強度は雨や雪、空気中の水分で弱まります)。結果として感じたことは、携帯電話不感は経験知的な情報になる可能性がある。山小屋の方の話では家族の方から取り次いで欲しいなどの依頼もあるとのことので、携帯電話不感地帯の存在や気象条件による影響を自身が知ることと、山を知らない家族等への事前の十分な説明が必要と感じた。

(緊急連絡先情報の共有)山行開始までに参加者に用意した紙に書いて頂き、封書に入れて封印。下山後に破棄する対応を試行した。試行としては「運用可」と判断した。KHC全体としてどのような方法がよいかは今後の検討課題としたいと思いました。

photo 

仙流荘前バス停、すでに多くの登山客が並んでいます。日帰りのグループも多い。

北沢峠に到着しました。仙丈ヶ岳への登山口、双児山への登山口はここになります。

暫く歩くとテント場が見えて、その先が長衛小屋です。

長衛小屋でテント泊の手続きを済ませます。

栗沢山へ!、水が豊か、苔むした樹林帯を上っていきます。


栗沢山山頂、一瞬、甲斐駒ヶ岳が顔を出しました!


雲ノ平で同じ時間を過ごしたであろう3人で記念撮影。またどこかで会える日を楽しみに!

仙水峠まで下りてきました。特徴ある尖った黒い岩がゴロゴロ。何故か多くのケルンがあります。


樹林帯に戻ってきました。様々な苔が出迎えてくれます。苔が山を守り新しい森を育てていることを感じるひと時でした。






仙水小屋を過ぎた途中、一か所だけロープを使う場所があります。


長衛小屋に戻ってきました。

テント場からの白い頂きは甲斐駒ヶ岳の摩利支天です。手前は仙水峠から駒津峰への稜線。

SLが
用意してくれた鍋料理とシュウマイ。山ごはんを超越しています。感謝です!!

締めのたまご雑炊も用意されて大満足!!


明日の仙丈ヶ岳を楽しみに就寝、おやすみなさい・・・


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