銚子ヶ峰 1,810m A健
―美濃禅定道の一座を登る―
実施日 2025年10月19日(日) くもり
参加者 10名
コースタイム
集合場所5:00-高鷲IC-石徹白登山口7:30~7:50-神鳩ノ宮避難小屋9:40~9:45-銚子ヶ峰10:50~11:45(昼食)-避難小屋12:25~12:40-いとしろ大杉13:45~13:50-石徹白登山口14:00-白山中居神社参拝14:30~15:10-集合場所18:00
歩行距離10.5㎞ 累積標高910m
白山はもともと農耕神を崇める素朴な自然信仰の山だった。それが奈良時代の養老元年(717)に越前の僧泰澄が開山してからは、修験道や神仏習合の聖地として体系化され、9世紀には加賀、越前、美濃に信仰拠点となる三馬場と山頂に達する禅定道が開かれた。このうち美濃禅定道は、今の岐阜県郡上市白鳥町にある長滝白山神社(美濃馬場)を起点に白山中居神社、銚子ヶ峰、三ノ峰、別山を踏んで御前峰に至る道。長い道のりだが、江戸時代には東海地方からの多くの登拝者が草鞋履きで白山を目指した。美濃禅定道は加賀や越前の禅定道より賑わったとされ、長滝白山神社の若宮多門宮司は著書で当時の美濃馬場の様子を「上り千人、下り千人」と伝えている。
今回、美濃禅定道の中継地である石徹白から銚子ヶ峰までを往復する例会に参加する機会を得た。心配された雨も好転し、曇り空ながら暑くも寒くもない静かな秋山日和となる。ビブラムソールの登山靴に快適なウエアをまとい、雨に備えてゴアテックスをザックに忍ばせた私たち。昔の登拝者とは当然着衣も装備も信仰心も大きく異なる。今は携帯の山アプリで位置も天気も即座にわかるが、当時は奥山の情報といえばすれ違いざま下ってきた人の話のみであったろう。登るにつれて色づきを増す山の秋景色と別山の展望を楽しみながら、かつて同じこの禅定道を行き交った人々の白山への憧れや祈りの心にもちょっぴり触れた、有意義な山行であった。

白山登山道入口

石段を登ると天然記念物「いとしろ大杉」がある

ブナ林を行く

クマに齧られて損壊した「おたけり坂」の標柱

目指す銚子ヶ峰が樹間から見えた

秋景色の中を進む

神鳩ノ宮避難小屋

稜線まで登ると、別山南面の威容が目に飛び込んできた

母御石に登った

母御石越しに臨む別山から南白山

銚子ヶ峰へと続くクマザサの道

山頂にて

山頂の眼下に広がる原生林の紅葉

銚子ヶ峰から先、美濃禅定道は遥か御前峰まで延びている

名古屋から犬を連れて登って来たという女性に出会った

御嶽を遠望しながら下山開始

ここの女神の横顔はかなり破壊されている

神鳩ノ宮避難小屋向かいに苔むした石の祠があった

ナナカマドは葉を落とし、赤い実が残る

いとしろ大杉の前で

石徹白上在所にある白山中居神社に立ち寄った

反省会をして例会を無事終えた (FIN)