野伏ヶ岳
~積雪期限定の日本300名山~
「岐阜県郡上市(ぐじょうし)白鳥町と福井県大野市との境界上の山。山名の由来は不明だが、山麓の石徹白(いとしろ・郡上市白鳥町)は、中世から近世にかけて栄えた白山信仰の美濃側登山口として賑わった所。上在所(かみざいしよ)に古い歴史を秘め、杉の巨木に覆われた白山中居神社がある。登山道はないので登るなら残雪期がよい。白山中居神社の前で左折して下りぎみに進むと、道が2つに分かれる。ここを左へ、石徹白川に架かる橋を渡り、荒れた林道を登っていくと緩く起状する台地に出る。辺り一帯を和田山といい、池や湿地を配した気分のいい場所である。この台地を横切って西に進み、山頂から南東に下りる明瞭な尾根を登る。この尾根はダイレクト尾根といい、下部は傾斜が緩いが上部に行くほど急になる。やがて再び傾斜が緩くなると頂上。天気さえよければ、360度の大展望を楽しむことができる」
(ヤマケイオンラインより引用)
■山行日:2023年2月16日(木) 快晴
■参加者:5名
■コースタイム
金沢市内P発 4:30 - 白山中居神社P 6:55~7:17 - (和田山牧場跡) - 野伏ケ岳11:26~12:07(昼食) - 白山中居神社P 14:53- (入浴) -金沢市内P18:30着
■登山概要
コース状況 野伏ヶ岳の天気予報は快晴予報。期待大で待ち望んでいたが、前日、石川県内は断続的に雪が降り、夜には金沢市で11cmもの積雪となった。野伏ヶ岳山頂の天気予報も雪マークが付き、新たな積雪や風でトレースが消えたり、ラッセルあるかも、平日であまり登山者も来ないだろうし...と覚悟して挑んだ野伏ヶ岳だった。
結果、快晴予報だった為か既に数名の登山者が入山しており、トレースもほぼ明瞭。新たな積雪も少量だったようでラッセル不要。石徹白川に架かる橋を渡り、少し歩いた時点で雪が硬く締っていた為、早々に全員12本爪アイゼン装着。累積標高差約1000mの全行程を12本爪アイゼンで歩いた。前日までの積雪状況が不明で下山時の緩んだ雪を考慮し、ワカンも持参したが使用する場面はなかった。
登頂時、それなりの風速で冷え込んでいたが、風が弱まってきたので山頂で絶景を堪能しながら昼食を摂ることができた。
コース上の注意点 積雪期限定で一般登山道がない為、事前に数日前に登られた方の適切と思われた軌跡ルートを2パターンダウンロードした。この軌跡ルートをこまめに確認し無理や無駄のないようなトレース選択やショートカットをした。それでも下山時、少々行き過ぎたり登り返す状況になり、時間短縮するなら最後までこまめに軌跡ルートの確認が望ましいと感じた。
下山時、山頂直下からしばらく続くクラストした斜面、新雪箇所が崩れそうな巻いた斜面では滑落しないよう慎重に降りた。
感想 数年前から積雪期限定の野伏ヶ岳はとにかく素晴らしいと聞いていた。2月がお勧めとの情報があり、タイミングが合えば一択で登りたい山だった。北陸では貴重な快晴予報と休みが重なった今回、ようやく登ることが出来た。
登ってみて、まず、和田山の広大な台地越しの野伏ヶ岳、三ノ峰~別山を始めとする山脈のお出ましに感動する。ダイレクト尾根の明るいブナ林を過ぎてからの純白の雪と紺碧の空とのコントラスト。振り返ると北アルプス・乗鞍岳・御嶽山の白く浮かび上がる姿に疲れが飛ぶ(一瞬だけ) 山頂近くの霧氷の華も紺碧の空をバックに美しく映える。そして、その先にはビクトリーロード。想像よりも素晴らしい光景ばかり!評判以上、期待をはるかに上回る野伏ヶ岳だった。
軌跡とデーター
和田山の台地にて。三ノ峰・別山・銚子ヶ峰をバックに。
この日は雪が硬く締まっており、12本爪アイゼン装着で自由に台地を歩け、爽快!
台地に伸びる木陰
ダイレクト尾根に取り付く。距離は短いが急斜面。
ブナと青空
上部に行くほど斜度が増す。まだ遠いピークに霧氷を発見。
霧氷ゾーンに到着。とにかく紺碧の空に霧氷が美しく映え、しばし撮影タイム。
霧氷越しの乗鞍岳の遠景。
ピークを目指し、もうひと頑張り
山頂はこのピークを越えると現われる
開放感ある野伏ヶ岳山頂からの景色。ここでは別山が一番高く見え、別山が主役という感じ。
遠景に北アルプスの大展望。
中央は乗鞍岳
御嶽山
美濃禅定道にある山々をバックに。
下山開始の風景。頼もしい我らがKHCの三役と。
この絶景を見降ろしながらのご褒美下山。
周回で明るく見晴らしの良い場所を下る。
石徹白川の橋を渡り、振り返ると野伏ヶ岳が見送ってくれてました。
あのてっぺんまで登ったんだね~としみじみ。
帰りの車中、きつねも見送りしてくれました(慣れた様子で)