日時:2021年5月26日(水) 天候:曇り時々晴れ 参加: 1名
コースタイム
09:00国見ヒュッテP → 金山登山口9:30 → 三蛇ヶ滝10:30 → 11:00トンビ岩付近観察
トンビ岩12:00 (昼食30分)12:30 → 三蛇ヶ滝との分岐13:30 → 14:40金山峠
金山峠14:40 → 金山登山口14:50 → 15:00国見ヒュッテP
先日(5月4日)医王山トンビ岩付近で遭難救助がありました、金沢市民にとっても身近な医王山でここ数年でも遭難死亡や行方不明者発生などが起きています、今回の方は無事にヘリで救出され胸をなで下ろしたのですが、山での遭難や事故がどういう事で起きるのかを検証するため、梅雨に入る直前の晴れ間に行ってきました、これまで自分なりに推測していたのですが実際に歩いてみることによって新たに推測がされることもありました。
新聞などの報道を見て「道迷い」が大きな原因かと思っていたのですが、実際に歩いてみて「時間切れによるビバーク」という思いを持ちました 医王山の登山道はその案内図や地図などによって記載があるものや無いものがあります、今回この親子がビバークとなった箇所は、その時推測の参考にした地図に登山道がない場所で、まだヤブがひどくならない斜面を無理に下ろうとして行けなくなった、と思って結論づけていました しかし、今回歩いてみてその地点は登山道があり、回りのヤブがだいぶ進んだ現在でも歩くには何ら問題がない場所でした、実際に歩いてみてその地点まで到達するには急斜面とかなりの難路をクリアーする必要があることがわかりました 金山登山口から、三蛇ヶ滝上流の川に下りるまではとても斜度のある急斜面でした、登山道もところどころ段が崩落して子ども連れの親子にとってはきびしい下り道だったに違いありません さらに、谷川まで下って三蛇ヶ滝・大沼(おおいけ)方向は川沿いの岸壁斜面で「カニの横ばい」とも呼ばれる危険な難路となっており、さらに2カ所3カ所?と 鎖が切れており、ガケの岩のくぼみに足をかけ木の枝をつかみながら進む必要があります そして、三蛇ヶ滝あたりに到着した後「トンビ岩」への岸壁の鎖場の登りとなります、この日は「新品」とも思われる真新しいくさりが付いており安心して身を預けて登ってきたのですが、新聞報道では「鎖が切れて子どもが下れるか心配」ということで迂回したとも書いてありました、ここを登るのも子どもにとってはきびしかったのではないかと思います軌跡として地図に落としてあるのですが、トンビ岩から少し上に上がると「金山登山口」へ向かう案内があります、左の斜面を下りて三蛇ヶ滝方向へ向けて下りて、来るときに右に向かった三叉路への道になります実際に歩いてみると「上級者」との記載がある割には淡々と下り下の谷川へ難なく到着しました、しかしそれからが大変で川沿いを「渡渉」しながらあちらこちらと渡って行くので「上級者」の表示があるのかと思いましたこれらのことから推測されるのは、昼過ぎに出発したみなさんはトンビ岩に到着するときにはかなりの時間がかかったのではないかということ、メンタルのダメージとしても岩場や鎖場での困難さを感じて不安があったのではないか、このことを推測して見るとトンビ岩上方の分岐を過ぎて木立の中を下るうちに日暮れも近づき「ビバーク」を決心してそこにとどまったのではないかと推測されましたルート調べをしっかりせずに昼過ぎに出発するというのは客観的には大心配だったと思われます、しかし日暮れを迎えて子ども連れということを考えれば安全な地点にとどまりビバークするというのは懸命な判断であったと思われますあと、登山口から地形の変わる地点のそこそこで「通信電波」の有る無しを見ながら歩いたのですが、このルートではこの救助地点あたり「約100メートルぐらい」の範囲で電波がありませんでした、それ以外の地点では 4G 3G と変わりながらも電波を受けているようでした、そういった意味ではちょっと「運がない」状態だったのかも知れません、しかしこのデジタル化時代に「山なか」とはいえこれだけアウトドアブームの中で、ポピュラーな野外活動のステージで電波が届かないことも改善しなければならないと思われましたこういった事例を検証・検討して安全対策に活かすことが大切だとつくづく思います
川まで下る途中に「トンビ岩」がみえました川まで下りたところです、ここが三叉路です右が三蛇ヶ滝方面、左が帰りに下りてきた道三蛇ヶ滝方面に向かうガケ歩き「カニの横ばい」よく見ると、鎖が切れている 三蛇ヶ滝トンビ岩に登る鎖(くさり)場真新しくみえますね、最近取り替えたのでしょうか?トンビ岩間近で見るとカッコいいですね前から気になっていた「トンビ岩の安全確認」をしてきましたその昔は「岩の左側」からも上に登るスペースがあったように思うのですが、現在は右からのルートだけですもし、左から崩れているのでしたらだんだん細っていくのでしょうか・・・(* 360°カメラで写すとこのように「ドローン」で撮影したようになります)その昔、白山登山の途中にある「黒ボコ岩」は両側に大きな岩があり「門」のようになっていた、それがいつぞやの地震で片方が崩れ落ち今の岩が一つ残っているそうですこういった所に居るときにそういった地震とがあることを考えると怖いところですね、それにだんだん痩せてきているとしたら、いつの日か自然崩壊で「落ちる」のでしょうか「注意」ですね大沼(おおいけ)が真下にみえます拡大してみると、気がついたのか下の人が手を振っているようです
トンビ岩から上部の登山道を進むと分岐があります木立の中をずんずんと下っていきます下まで来ると「谷川」が見えてきました川に沿って両側に渡渉しながら下ります、ヌルヌル石を渡るので危ないです三蛇ヶ滝との分岐点から、右に向かって来た道を上ります帰りは金山峠を越えてみました峠を下りるとすぐに登山口で終了です、お疲れさまありがとうございました( 礼 )