えちぜん鉄道三国駅前通りから、まずは街中散策をしながら北上、「三国詩歌文学館」と称して 高見順や三好達治の 詩が書かれたもの、古い建物を利用した商店や寺院など、古き良き日本の姿が見られ、ちょっと進んで足が止まり、 まるで観光客気分のゆっくりな出足となる。
三國港驛…「みくにみなとえき」は、えちぜん鉄道終着駅、ここにも則武三雄の詩が書かれており、近くには有形文化財 (ねじりまんぽ技法)の「眼鏡橋」があった。 荒磯遊歩道…「ありそゆうほどう」は、三国花火大会で有名なサンセットビーチ から少し北の、荒磯ふれあい公園が入口となっており、ここから海岸沿いに伸びる遊歩道に入った。
荒磯遊歩道は、別名「文学の散歩道」とも言われ、三国ゆかりの文人、詩人の句碑や詩碑などが多くあり、海を見下ろす ように建てられており立派な石碑であった。他にも、三国沿岸に生息する野鳥、草木や花の名前、植物などの生態、風土や自然の解説などなど…荒磯遊歩道はただの歩道ではなく、親切な看板で勉強もできて、歴史と自然を歩く探検の道、 と言ったところだろうか。 左手に、冬の日本海の荒波や海岸美を見ながら、「 自殺の名所 」 と言う代名詞が付いている 東尋坊を経由して雄島を一周し、更には越前松島水族館の手前辺りまで続いていた荒磯遊歩道を歩いた。
東尋坊はスリリングな断崖絶壁が有名であり、今までに何度か来ていたが、今日のように遊歩道から東尋坊に入るのは 初めてであり、今までとは違う東尋坊の顔を見たような気がした。 この断崖は世界でも東尋坊を含め3ヶ所しかない 「輝石安山岩の柱状節理」、地質学的にも珍しい奇岩とのこと。 見た目では岩の柱が垂直に集まったような形、上面が スパッと切れたような平らになっていて、天然とは思えな奇岩群だった。
雄島は、トレードマークの赤い橋 「雄島橋」 を渡って鳥居を潜り、右回りで島を一周した。 遊びながらでも50分で一周 できた小さい島だが、歴史の古い 「大湊神社」 があった。 海岸淵には、磁針が狂う 「磁石岩」 、コンパスを近付けると 確かに磁針が狂ったのを確認。 冷たい真水が湧き出る「瓜割の水」では、岩を飛び交い皆で探したが場所が特定できず 残念ながら瓜割の水は見つけられなかった。
雄島大橋を戻り、再び荒磯遊歩道を松島方面へ歩くと、ロシアタンカー 「ナホトカ号」 の重油流出事故があった記録と 教訓の碑が建てられていた。漂着した重油で海岸は真っ黒になり異臭が立ち込め、回復が危ぶまれたことやボランティアの事、重油まみれで死を待つしかない海鳥たちを保護し、洗浄、治療、リハビリなどをして放鳥したとの記録である。
途中、海岸沿いにあった大きな東屋で昼休憩とし、リーダーK さんが準備して下さった材料と東尋坊の店で買った、生のセイコ蟹(石川ではコウバコ)丸ごと5匹を放り込み、名付けて 「 荒磯鍋 !! 」 具も味も正に豪快な男の料理、体も温まり 皆で囲んだ鍋は格別に美味しかった。
帰りは越前松島からほぼ一直線に南下して、ひたすらコンクリートの歩道を歩く…これが一番辛いところ。 そして、 出世山古墳公園経由で滝谷寺「たきだんじ」へ…時間が遅いため庭園などの見学は出来なかったが、三国駅前に戻り、 三国祭りで有名な「酒まんじゅう」や福井の名物「水ようかん」などのお土産を買った。 お店の玄関先で即味見のO さん、 皆が注目の中 「うん、酒まんじゅうはお酒の味と香りがぷんぷん…」そのまんまやーと突っ込まれそうな感想であったが、 お酒の香りがして皆さん納得! 買い逃したが、三国バーガーと言うニューフェイスも人気だとか、三国に行く機会が あったら、この3品是非ご賞味を!
この日は曇り予報が外れて、昼時以外は終始小雨が降り続いたので、生憎傘をさしての歩きとなったが、そこは皆さん、 雨にも負けずのKHC 、東尋坊や雄島の濡れた岩場も慣れた足取り、傘片手でもなんのその、頼もしいメンバー9人で 約20kmの道のりを歩き、良い散策とトレーニングだったと元気に金沢に戻って来た。
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