剱 岳 2999m (富山県)
―試練と憧れの山に登る―
■実施日 令和3年8月2日(月)3日(火) 晴れのち曇り
■参加者 4名
■コースタイム
2日
集合5:20―立山IC―立山駅P6:40 ケーブル7:40―美女平8:00―室堂8:40
室堂9:00…雷鳥沢キャンプ場9:50…剱御前小屋11:30~12:15…剱御前山往復…剱御前小屋12:35…剣山荘13:40
3日
剣山荘4:35…一服剱5:00…前剱5:50…前剱の門6:15…平蔵の頭6:40…カニのタテバイ7:00…剱岳7:35~8:05…カニのヨコバイ8:20…平蔵の頭8:35…前剱の門9:05…前剱9:20…一服釼10:12…剣山荘10:30~11:20…剱御前小屋12:30…雷鳥沢キャンプ場13:30…室堂14:35
室堂15:00―美女平16:10―立山駅P16:20―立山グリーンパーク吉峰(入浴)16:50~17:20―集合場所18:30
「岩と雪の殿堂」と讃えられ、岳人にとって試練と憧れの山である剱岳に別山尾根ルートからチャレンジした。発案者(リーダー)以下3人は剱岳が初めて、過去に2回登頂実績を持つベテランNさんが参加してくれたことが何より心強い。両日とも登山日和に恵まれ、挑戦者たちも日頃の山行で身に付いた基本技術を応用して急峻な岩場も難なくこなし、無事登頂を果たした。私事だが齢60後半、あちこち多少の故障はあっても案ずるより産むが易しで、やれば出来るものである。
1日目は剱岳に最も近い山小屋剣山荘へのアプローチだ。室堂まで交通機関で入るものの、室堂から一旦雷鳥沢へ降り、雷鳥坂を600メートル登って別山乗越へ、そこから雪渓をトラバースしながら250メートル下るアップダウンはかなり体力を消耗する。予約していた剣山荘では私たち4人に8人部屋があてがわれた。コロナの感染防止対策が行き届いた二段ベッドの上下をゆったり使い、快適な寝具で明日に備えて十分な休息をとった。
朝3時半起床。窓の外を見れば満天の星空の下を上方に向かって動く白い光跡がある。早立ちの登山者たちのヘッデンの光だ。私たちも、弁当にしてもらった朝食を部屋で食べ、サブザック姿で薄明の中を出発した。一服剱で日の出を迎える。大岩のルンゼを攀じ登り、額から汗を滴らせながら前剱を通過すれば剱岳本峰が圧倒的な迫力で現れ、目の前に立ちはだかる。この登山ルート上には鎖場が1番から13番まである。その9番、難所カニのタテバイに取付く。垂直に近い岩盤を鎖を頼りに50メートルほど登るのだ。平日のこの日は心配した渋滞もなく、落ち着いた行動でメンバー全員越えることが出来た。到達した剱岳山頂には20人ほどの登山者が休んでいた。祠をバックに記念写真を撮り360度の絶景を楽しむ。早月小屋の赤い屋根が意外に近くに見える。早月尾根からの登頂もさほど難しくなさそうだ。下山は登り以上に慎重を期す。10番鎖場のカニのヨコバイも難所である。ここは最初に足を降ろす場所が分かりにくい。身をのり出して覗けば目印の赤ペンキが見えるが、その足場となる岩幅はとても狭い。踏み外せば鎖にぶら下がったまま宙吊りとなり、腕の力がなければ落ちていくしかない。全行程中ここがいちばんの要注意ポイントだろう、あとは浮石さえ気をつければ特に問題ないと思った。意気揚々と剣山荘に戻り、登頂の感慨に浸りながら山荘を後にした。
別山乗越から雷鳥沢まで下りると低く垂れた雲から大粒の雨が降り出した。雨具を着けてテント場を抜け、室堂への嫌になるほど苦痛な階段道を濡れながら歩いた。午後に特有の山岳性降雨にほかならないが、達成感に高揚した心を冷ますには丁度良い雨であった。雷鳥荘前から見る雷鳥平キャンプ場と別山乗越雷鳥坂を彩るハクサンイチゲ別山乗越に建つ剱御前小屋剱御前小屋前に咲くチシマギキョウ剱御前小屋前のトウヤクリンドウ剣山荘へはダイレクトルートを行く剱沢源頭部のハクサンイチゲチングルマの花剣山荘が視界に入るチングルマの実剣山荘に到着とんかつが有名な剣山荘の夕食夕食後の散策。小屋の後はコバイケソウが花盛り早出のため朝食は弁当にした五竜岳の上に朝日が昇る。山は前剱前剱より望む剱岳本峰大日連山にかかる剱岳の影向うの岩壁に映る私たちのシルエット岩稜を行くカニのタテバイに取付く鎖とアンカーと自分の体力を信じて登るカニのタテバイを過ぎれば頂上は指呼の間だもうすぐ山頂。慎重に、慎重に剱岳山頂(2999m)に立つベテラン先輩と3人の挑戦者たち。やったぞ北方稜線と毛勝三山早月尾根と早月小屋白馬岳から清水岳に続く稜線立山につながる別山尾根と剱御前山。遠く水晶岳、黒部五郎岳、薬師岳下山専用カニのヨコバイの看板5メートル程の岩場のトラバースだが最初の足の置き場が分かりにくい頑丈な梯子を下る楽しい思い出をありがとう